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論文

Positron annihilation study of vacancy-type defects in silicon carbide co-implanted with aluminum and carbon ions

大島 武; 上殿 明良*; 阿部 浩之; Chen, Z. Q.*; 伊藤 久義; 吉川 正人; 安部 功二*; 江龍 修*; 中嶋 賢志郎*

Physica B; Condensed Matter, 308-310, p.652 - 655, 2001/12

 被引用回数:6 パーセンタイル:37.52(Physics, Condensed Matter)

六方晶シリコンカーバイド(6H-SiC)へアルミニウム(Al)及び炭素(C)の共注入を行い、注入後及び熱処理後に残留する空孔型欠陥を陽電子消滅法により調べた。Al注入(濃度:2E18/cm3)は室温で、炭素注入(濃度:1E18/cm3)は室温または800$$^{circ}C$$で行った。その結果、両試料ともに注入後に残留する空孔型欠陥は主に複空孔(VsiVc)であること,1000$$^{circ}C$$での熱処理により表面層の空孔欠陥はクラスター化するが、深部の欠陥はクラスター化が抑制されること,さらに1000$$^{circ}C$$以上の熱処理では空孔欠陥サイズは減少し、1400$$^{circ}C$$熱処理により結晶性が回復することがわかった。また、Al単独注入試料中の空孔欠陥においても同様な振る舞いが観測され、共注入による欠陥の特異な振る舞いは見出されなかった。一方、電気特性の結果、共注入試料の電子濃度の方がAl単独注入より高く、共注入の効果が見られた。上記より、共注入ではサイトコンペティション効果によりAlの活性化率が向上するというわれわれのモデルの妥当性が裏づけられた。

論文

Enhancement of electrical activation of aluminum acceptors in 6H-SiC by co-implantation of carbon ions

大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人

Materials Science Forum, 353-356, p.575 - 578, 2001/00

シリコンカーバイド(SiC)半導体へのアクセプタ不純物導入の最適条件探索のため、注入濃度と温度を変化させてアルミニウム(Al)と炭素イオン(C)の共注入を行った。Alは室温~800$$^{circ}C$$で1$$times$$10$$^{18}$$,1$$times$$10$$^{19}$$及び5$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$、Cは室温または800$$^{circ}C$$で2$$times$$10$$^{17}$$~3$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$の範囲で注入した。ホール係数測定より注入層のホール濃度を求めたところ、Al注入濃度が1$$times$$10$$^{18}$$と1$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$試料の場合は、Cを2$$times$$10$$^{17}$$~5$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$の濃度で共注入した試料のホール濃度がアルミニウム単独の注入に比べ高く、両者とも共注入C濃度が1$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$付近でホール濃度は最大値を示した。これより共注入C濃度として1$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$が決定できた。また、Cを800$$^{circ}C$$で共注入した試料は室温注入試料に比べ高いホール濃度を示し、高温C共注入の有効性を明確にすることができた。一方、高濃度(5$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$)Al注入の場合は、C共注入によるホール濃度の変化は見られず、Alの高温注入によりホール濃度が高められることが確認できた。

論文

アルミニウム/炭素共イオン注入によるp型SiCの作製

大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人

第11回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム(BEAMS 2000)報文集, p.139 - 142, 2000/11

アルミニウム(Al)/炭素(C)共注入によるp型伝導シリコカーバイド(SiC)半導体の最適作製条件を明らかにするため、注入濃度と温度を変化させてAlとC注入を行った。Alは室温~800$$^{circ}C$$で2$$times$$10$$^{18}$$,2$$times$$10$$^{19}$$及び1$$times$$10$$^{20}$$/cm$$^{3}$$、Cは室温または800$$^{circ}C$$で2$$times$$10$$^{17}$$~5$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$の範囲で注入した。ホール係数測定より注入層の正孔濃度を求めたところ、低濃度(2$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$以下)Al注入試料では、2$$times$$10$$^{17}$$~5$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$のC共注入を行うことでAl単独注入に比べ正孔濃度が上昇すること、C濃度が1$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$付近で正孔濃度が最大値を示すことがわかった。これより最適共注入C濃度として1$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$が決定できた。また、Cを800$$^{circ}C$$で共注入した試料は室温C共注入試料に比べ高い正孔濃度を示し、高温C共注入の有効性を明確にすることができた。一方、高濃度(1$$times$$10$$^{20}$$/cm$$^{3}$$)Al注入の場合は、C共注入によるホール濃度の変化は見られず、Al自体の高温注入により正孔濃度が高められることが確認できた。

論文

Chemical bonding state analysis of silicon carbide layers in Mo/SiC/Si multilayer mirrors by soft X-ray emission and absorption spectroscopy

村松 康司; 竹中 久貴*; 上野 祐子*; Gullikson, E. M.*; Perera, R. C. C.*

Applied Physics Letters, 77(17), p.2653 - 2655, 2000/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:51.49(Physics, Applied)

高輝度放射光に代表される大強度軟X線の分光・集光素子として不可欠な耐熱性多層膜ミラーの開発に資することを目的として、耐熱特性を支配する化合物バリア層の化学結合状態を解明するため、Mo/SiC/Si多層膜におけるシリコンカーバイド層のCKX線発光吸収スペクトルを測定した。分光測定はAdvanced Light Sourceにおいて行った。得られたX線スペクトルをDV-X$$alpha$$分子軌道法により解析した結果、このシリコンカーバイド層はh-またはc-SiCの基本構造において一部のシリコン原子を炭素原子で置き換えた炭素過剰な状態にあることが示唆された。併せて、多層膜における化合物層の非破壊状態分析に軟X線発光吸収分光法が有効であることを示した。

論文

Maintenance and material aspects of DREAM reactor

植田 脩三; 西尾 敏; 山田 禮司; 関 泰; 栗原 良一; 安達 潤一*; 山崎 誠一郎*; Dream Design Team

Fusion Engineering and Design, 48(3-4), p.521 - 526, 2000/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:42.66(Nuclear Science & Technology)

核融合商用炉DREAM(核融合出力:5.5GW)と原型炉Proto-DREAM(核融合出力:1.5GW)の概念検討を行ってきた。本報はそのうちメインテナンスと材料の側面から報告したものである。炉心構造材としてSiC/SiC複合材を採用し、それと相性の良いヘリウムを冷却材とする核融合動力炉システムである。主な結論は以下の通りである。(1)低放射化材料であるSiC/SiC材料を採用したため、炉心部の線量率は10Gy/nr程度であり、保守用機器の開発が楽になる。(2)セクタ単位の引出し方式としたため、保守時間の短縮化が可能になる。(3)SiC/SiC複合材の特性は現状では、炉の要件を満たさないが、特性の改善をめざした材料開発プログラムが原研で計画された。

論文

Electrical Properties of carbon/aluminum-implanted 6H-SiC

大島 武; 伊藤 久義; 吉川 正人

Proceedings of 1st International Workshop on Ultra-Low-Loss Power Device Technology (UPD2000), p.181 - 182, 2000/06

シリコンカーバイド(SiC)へのアクセプタ不純物(アルミニウム)導入の最適条件探索のため、注入濃度と温度を変化させてアルミニウムと炭素イオンの共注入を行った。アルミニウムは室温で1$$times$$10$$^{18}$$及び1$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$、炭素は室温または800$$^{circ}C$$で2$$times$$10$$^{17}$$~3$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$の範囲で注入した。ホール係数測定より注入層のホール濃度を求めたところ、炭素を2$$times$$10$$^{17}$$~5$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$の濃度で共注入した試料のホール濃度はアルミニウム単独の注入に比べ増加することが確認でき、注入アルミニウム濃度に依らず、共注入炭素濃度が1$$times$$10$$^{18}$$/cm$$^{3}$$が決定できた。さらに、炭素を800$$^{circ}C$$で共注入した試料は室温注入試料に比べ高いホール濃度を示し、高温共注入の有効性を明確にすることができた。

論文

シリコンカーバイド繊維

瀬口 忠男

ケイ素化学協会誌, (9), p.24 - 25, 1998/11

シリコンカーバイド繊維の製造技術について、製造方法とその特性、放射線利用による耐熱性の向上、今後の展望について解説した。

論文

Effects of $$gamma$$-ray irradiation on the electrical characteristics of SiC metal-oxide-semiconductor structures

吉川 正人; 大島 武; 伊藤 久義; 梨山 勇; 高橋 芳浩*; 大西 一功*; 奥村 元*; 吉田 貞史*

Electronics and Communication in Japan., Part2, 81(10), p.37 - 47, 1998/00

宇宙環境や原子炉近傍で使用される半導体素子には、高温雰囲気での安定な動作ばかりでなく、強い耐放射線性が要求される。今回SiC半導体材料の中でも最も一般的な6H-SiCを用いて半導体素子の基礎構造であるMOS構造を作製し、その電気特性の吸収線量依存性を調べるとともに、その吸収線量依存性のメカニズムを酸化膜中固定電荷の深さ方向分布を用いて追求した。その結果シリコン面上のMOS構造のC-V特性の$$gamma$$線照射による変化は、Si MOS構造のそれと類似しているが、カーボン面上のその変化は、大きく異なることがわかった。酸化膜中固定電荷の深さ方向分布を用いてこの結果を調べたところ、C-V特性の横方向シフトが酸化膜中に存在する正及び負の電荷の量と位置の変化により生じていることが分かった。

論文

A Fusion power reactor concept using SiC/SiC composites

植田 脩三; 西尾 敏; 関 泰; 栗原 良一; 安達 潤一*; 山崎 誠一郎*; DREAM-Design-Team

Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1589 - 1593, 1998/00

 被引用回数:43 パーセンタイル:93.87(Materials Science, Multidisciplinary)

核融合動力炉の主要な要件として、設備利用率に直結した保守性、経済性を向上させる高い熱効率の実現、環境安全性に優れていることが挙げられる。著者らは、炉内機器の構造材料としてシリコンカーバイド複合材を採用し動力炉概念を構築することを試みた。シリコンカーバイド複合材は低放射化材料でありかつ耐熱材料でもある。また、電導率が小さい。配置に関して、プラズマ設計の要件を満たしながら保守のアクセスを良くするように全体構造を工夫した。ブランケットは、モジュール構造としトリチウム増殖率が正味で1.1が得られるよう中性子増倍材、トリチウム増殖材、遮蔽体の寸法を適正化した。その結果、保守作業は炉停止後1日から開始可能なこと、保守作業はセクター引出方式により簡単化されること、正味の熱効率は47%となること、廃棄物の観点から見ても優れていることが分かった。

論文

Scandium and gallium implantation doping of silicon carbide

T.Henkel*; 田中 保宣*; 小林 直人*; I.Koutzarov*; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 大島 武

Mat. Res. Soc. Symp. Proc., 512, p.163 - 168, 1998/00

シリコンカーバイドへスカンジウム及びガリウムの注入を行い、ラザフォード後方散乱、ラマン分光、フォトルミネッセンスにより評価を行った。室温でガリウム注入(1$$times$$10$$^{19}$$/cm$$^{3}$$)を行うと、アモルファス化はしないが非常に多くの欠陥が形成される。その後熱処理により結晶は回復し始め、1630$$^{circ}$$Cでの熱処理で結晶性は未注入試料まで回復することがわかった。スカンジウム注入においてもガリウムとほぼ同様の結果であった。ラマン分光の結果は、注入後TO,LOともにピークは減少したが、1500$$^{circ}$$C以上の熱処理を行うと未注入試料と同程度まで回復した。電気特性については、1700$$^{circ}$$C熱処理の試料についてキャリア濃度を測定したところ、ガリウム注入試料の方が、スカンジウム注入試料よりキャリア濃度が多く、アクセプタ不純物として有効であった。

論文

Characterization of residual defects in cubic silicon carbide subjected to hot-implantation and subsequent annealing

伊藤 久義; 大島 武; 青木 康; 安部 功二*; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*; 上殿 明良*; 谷川 庄一郎*

Journal of Applied Physics, 82(11), p.5339 - 5347, 1997/12

 被引用回数:13 パーセンタイル:57.46(Physics, Applied)

室温から1200$$^{circ}$$Cの広い温度範囲での窒素(N$$_{2+}$$)及びアルミニウム(Al$$^{+}$$)のイオン注入により立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)半導体に導入される欠陥を電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光分析(PL)、陽電子消滅(PAS)法を用いて評価した。高温注入は常磁性欠陥を減少させ注入層の結晶性を改善すると同時に、空孔クラスターの形成を誘起することが明らかになった。これらの結果は高温注入時における点欠陥の移動と結合反応によって説明することができる。さらに高温注入による欠陥の形成と消失挙動は注入温度、注入量、注入イオン種に依存することが見い出された。また、高温注入により3C-SiCに導入された欠陥のアニール挙動をESR,PL,PASを用いて調べるとともに、ホール測定、二次イオン質量分析により注入不純物のアニールによる電気的活性化や深さ方向濃度分布変化についての知見を得た。

論文

Positron annihilation studies of defects in 3C-SiC hot-implanted with nitrogen and aluminum ions

伊藤 久義; 上殿 明良*; 大島 武; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 谷川 庄一郎*; 奥村 元*; 吉田 貞史*

Applied Physics A, 65(3), p.315 - 323, 1997/00

 被引用回数:16 パーセンタイル:63.3(Materials Science, Multidisciplinary)

立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)半導体に200keVの加速エネルギーで窒素(N$$_{2+}$$)及びアルミニウムイオン(Al$$^{+}$$)を注入温度範囲:室温~1200$$^{circ}$$C、注入範囲:10$$^{13}$$~10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$でイオン注入し、生成される欠陥を単色陽電子ビームを用いた陽電子消滅測定法を用いて調べた。消滅$$gamma$$線エネルギースペクトルのドップラー広がりを解析した結果、高温注入により3C-SiC中に空孔クラスターが形成されることが明らかになった。空孔クラスターのサイズは注入量及び注入温度を上昇させると増大することを見いだした。高温注入による空孔のクラスター化については、注入時の空孔の結合反応によって説明できる。注入試料を1400$$^{circ}$$Cでアニールしたところ、低注入(10$$^{13}$$/cm$$^{2}$$)試料は形成された空孔型欠陥は除去できるが、高注入(10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$)では空孔クラスターが残存することがわかった。陽電子拡散長の解析より、アニールにより陽電子散乱中心が形成されることがわかった。

論文

Characterization of defects in hot-implanted 3C-SiC epitaxially grown on Si

伊藤 久義; 青木 康; 大島 武; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*

Silicon Carbide and Related Materials 1995 (Institute of Physics Conf. Series,No. 142), 0, p.549 - 552, 1996/00

化学気相成長法によりSi上にエピタキシャル成長させて作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶に、室温から1200$$^{circ}$$Cの温度領域で窒素(N$$_{2+}$$)、アルミニウム(Al$$^{+}$$)をイオン注入し、注入後3C-SiC中に残存する欠陥を電子スピン共鳴(ESR)、光励起発光(PL)、シート抵抗測定法を用いて調べた。この結果、800$$^{circ}$$C以上の高温注入により、残留する常磁性欠陥(g~2.0030)が極めて低減できることが解った。また、高濃度Al$$^{+}$$注入(注入量≧10$$^{15}$$/cm$$^{2}$$)の場合は、Al凝集に関係すると推測される新たな常磁性欠陥(g~2.0035)が形成されることを見い出した。さらに、Nを高温注入後1660$$^{circ}$$Cまでのアニールを行った結果、シート抵抗が低下し、注入N不純物が電気的に活性化することが示された。また、アニールによる常磁性欠陥(g~2.0030)の低減が観測され、この欠陥は電子捕獲中心として働くことが示唆された。その他本論文では、発光中心として働く残留欠陥等も論述する。

論文

Photoluminescence of radiation induced defects in 3C-SiC epitaxially grown on Si

伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 三沢 俊司*; 吉田 貞史*

Journal of Applied Physics, 77(2), p.837 - 842, 1995/01

 被引用回数:64 パーセンタイル:91.99(Physics, Applied)

化学気相成長法によりSi基板上にエピタキシャル成長させて作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶に対し、1MeV電子線照射により形成される欠陥をフォトルミネッセンス(PL)法を用いて調べた結果、照射SiCにおける支配的な発光線E:1.913eVをはじめとした照射欠陥に起因する複数の発光線を見い出した。発光中心E-PLセンターのアニール挙動については、約100$$^{circ}$$C及び約700$$^{circ}$$Cにアニールステージが存在する等の結果が得られ、我々が先に明らかにしたSi単一空孔に起因するTl-ESRセンターのアニール挙動とほぼ一致することが解った。これより、1.913eV発光線はSi単一空孔に起因すると結論できる。また、E発光線が光励起キャリアのSiCバンド端と欠陥準位間の再結合により生じると仮定することにより、Si単一空孔の欠陥準位は価電子帯上端から0.50eV離れた位置(Ev+0.50eV)に存在すると推測される。

論文

Characterization of defects in hot-implanted $$beta$$-SiC

伊藤 久義; 青木 康; 吉川 正人; 梨山 勇; 奥村 元*; 吉田 貞史*

13th Symp. on Materials Science and Engineering, Research Center of Ion Beam Technology, Hosei Nniv., 0, p.75 - 80, 1994/12

立方晶シリコンカーバイド($$beta$$-SiC)への高温注入技術を確立する上で重要な注入欠陥に関する情報を得るために、イオン注入$$beta$$-SiC試料の電子スピン共鳴(ESR)及びフォトルミネッセンス(PL)測定を行った。ESR測定の結果、N$$_{2+}$$やAl$$^{+}$$を室温で$$beta$$-SiCに注入した場合高密度欠陥形成を示す等方的ESR信号(g~2.003)が得られた。注入温度を上昇させるとこの欠陥量は減少し、800$$^{circ}$$C以上ではほぼ一定の値を示した。注入温度800$$^{circ}$$Cは$$beta$$-SiC中の単一空孔が移動・消滅する温度に対応する。また、注入温度の上昇による注入層の結晶性回復を示す結果がPL測定からも得られた。PL測定からは、更に、約1000$$^{circ}$$C以上の高温注入においては注入層に点欠陥(発光中心D$$_{1}$$及びD$$_{2}$$)が形成されることが解った。注入後の残留欠陥を低減し、注入不純物の電気的活性化をすすめるためには、注入条件の最適化が必要となる。

論文

3C-SiCの放射線損傷とその焼鈍特性

伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; 三沢 俊司*; 吉田 貞史*

電子技術総合研究所彙報, 58(2), p.125 - 132, 1994/00

化学気相成長法により作製したn型及びp型立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)単結晶に1MeV電子線、2MeV陽子線を照射し、照射試料の電子スピン共鳴(ESR)測定を4Kから室温の温度領域で行った。この結果、照射誘起欠陥に起因する新たなESR信号T1,T6,T7,T8を見い出した。スピンハミルトニアンを用いた解析により、T1は荷電状態-1を有するSi単一空孔(スピン状態S=3/2,Td対称)に起因すること及びT5は荷電状態+1を有するC単一空孔(スピン状態S=1/2、D$$_{2}$$対称)に起因することが判明した。T6、T7については、スピン状態S=1を有する$$<$$111$$>$$方向に配列した空孔-格子間原子対に原因することが示唆された。また、等時アニールにより、T1欠陥は3種類のアニールステージ(150$$^{circ}$$C,350$$^{circ}$$C,750$$^{circ}$$C)において消失すること、並びにT5,T6,T7欠陥は各々150$$^{circ}$$C,300$$^{circ}$$C,300$$^{circ}$$Cのアニールステージを有することが明らかになった。

論文

Defects in electron-irradiated 3C-SiC epilayers observed by positron annihilation

伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; L.Wei*; 谷川 庄一郎*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*

Hyperfine Interactions, 79, p.725 - 729, 1993/00

 被引用回数:19 パーセンタイル:73.57(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)

エピタキシャル成長立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)半導体中に1MeV電子線照射により生成する欠陥を陽電子消滅法を用いて調べた。この結果、照射量約1$$times$$10$$^{17}$$e/cm$$^{2}$$以上の範囲で、3C-SiC試料における陽電子消滅ガンマ線のエネルギースペクトル幅(ドップラー広がり幅)が照射量増加とともに狭くなり、スペクトル尖鋭化の程度を表すSパラメータが増加することが解った。また、SiCにおける陽電子の有効拡散長は、照射量増加に対し減少することが見い出された。これらの結果は、電子線照射による空孔型欠陥の形成を示している。さらに、Sパラメータの照射量依存性は、照射による単一空孔及び二重空孔の形成を仮定した計算結果とよく一致することが判明した。これより、照射中に単一空孔の生成に加え、空孔間の結合が生じ二重空孔が形成されると推測される。

論文

Effects of gamma-ray irradiation and thermal annealing on characteristics of 3C-SiC MOS structure

吉川 正人; 森田 洋右; 伊藤 久義; 梨山 勇; 奥村 元*; 三沢 俊二*; 吉田 貞史*

Mater. Res. Soc. Symp. Proc., Vol. 281, p.797 - 802, 1993/00

立方晶(3C-SiC)シリコンカーバイド結晶を1100$$^{circ}$$C、1h水素燃焼酸化した後試料を急冷して酸化層を作製し、MOS構造を形成した。この手法により界面準位及び固定電荷量は5.4$$times$$10$$^{11}$$~1.4$$times$$10$$^{12}$$cm$$^{-2}$$及び8.4$$times$$10$$^{11}$$~1.1$$times$$10$$^{12}$$cm$$^{-2}$$の範囲で発生した。界面準位はEc-0.7~Ec-1.5eVのエネルギー位置にのみ局在する。この試料を800kGy(SiO$$_{2}$$)まで照射後、100$$^{circ}$$Cから50$$^{circ}$$Cステップで30分間等時アニールを行なうと、固定電荷及び界面準位は熱アニールされ減少した。この減少量を1/T(絶対温度の逆数)に対しプロットするとよい直線性を示した。一方、未照射試料の熱アニールを460$$^{circ}$$C、30分行った後、$$gamma$$線照射を行なうと、界面準位及び固定電荷の発生量が抑制され、試料の耐放射線性が向上した。これらの変化は、300~450$$^{circ}$$Cの範囲の熱アニールプロセスが、炭化ケイ素/SiO$$_{2}$$膜界面に変化を及ぼすことを示している。

論文

Electron irradiation effects on CVD-grown 3C-SiC epilayers

伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇*; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*

Amorphous and Crystalline Silicon Carbide III and Other Group IV-IV Materials, p.143 - 148, 1992/00

化学気相成長(Chemical Vapor Deposition; CVD)法によりSi上にエピタキシャル成長させて作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)に対する1MeV電子線照射効果を、ファン・デア・ポー(van der pauw)法を用いたキャリア濃度、移動度測定により調べた。この結果、3C-SiCの室温におけるキャリア濃度n、移動度$$mu$$は、照射量1$$times$$10$$^{17}$$e/cm$$^{2}$$から3$$times$$10$$^{18}$$e/cm$$^{2}$$の範囲で照射量$$Phi$$増加と共に減少することが解った。これより、キャリア濃度及び移動度に対する損傷係数として各々-$$Delta$$n/$$Delta$$$$Phi$$=3.8$$times$$10$$^{-3}$$cm$$^{-1}$$$$Delta$$$$mu$$$$^{-1}$$/$$Delta$$$$Phi$$=3.2$$times$$10$$^{-22}$$Vsなる値が得られた。これらの値はSiに対する損傷係数と比較し小さいことから、3C-SiCはSiと比べ高い耐放射線性を有することが示唆された。

論文

Electron spin resonance study of defects in CVD-grown 3C-SiC irradiated with 2MeV protons

伊藤 久義; 吉川 正人; 梨山 勇; 三沢 俊司*; 奥村 元*; 吉田 貞史*

J. Electron. Mater., 21(7), p.707 - 710, 1992/00

 被引用回数:67 パーセンタイル:94.38(Engineering, Electrical & Electronic)

化学気相成長(CVD)法により作製した立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)結晶に2MeV陽子線を照射し、生成する欠陥の構造を電子スピン共鳴(ESR)法を用いて調べた。照射p型(Alドープ)3C-SiCのESR測定の結果、100k以下の低温で、n型試料では見られなかった新たなESRシグナル(T5と呼ぶ)を見い出した。T5センターは、g値の異方性($$<$$100$$>$$主軸、g$$_{1}$$=2.0020,g$$_{2}$$=2.0007,g$$_{3}$$=1.9951)からD$$_{2}$$対称構造を持つ。さらに、T5シグナルが電子スピンと4個のSiサイトに存在する$$^{29}$$Si核スピンとの超微細相互作用で説明できることから、T5はCサイトの点欠陥、例えばC単一空孔に起因すると考えられる。T5シグナルがn型試料で観測されないのは、欠陥の荷電状態がn型、p型試料で各々0,+1であるためと推測される。また、照射試料の等時アニールにより、T5センターは150$$^{circ}$$C程度の加熱により消失することが解った。

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